野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

4月20日(金)

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 アマゾン・マーケットプレイスに注文したバス歌手の岡村喬生さんの著書「ヒゲのオタマジャクシ世界を泳ぐ」が届いた。

 今から39年前の1973年4月、指揮者のイシュトヴァン・ケルテス(ハンガリー読みではケルテス・イシュトヴァーン)がテルアビブの海岸で急死した。彼の振ったモーツァルトの40番がいたく気に入っていた私は、ニュースを聞いても何が起こったのかさっぱり事態が飲み込めなかった。

 ケルテスに同行していた岡村喬生さんの著書に、その時の様子が詳細に記述されていることが分かり、すでに絶版となっていた件の文庫本をマーケット・プレイスで手に入れたというわけだ。もちろん、すぐに読んだことは言うまでもない。

 結論から言うと、ケルテスは海の事故で命を落とした。それちょっとした油断によって。そう思うと非常に残念だ。

 岡村さんは、次のようなエピソードを添えている(簡略化してあります)。

 

 -  奇しくも数日前、地方公演出の帰路、死者2名を出す交通事故を目撃した。生々しい事故現場でケルテスは言った。

 「ちょっとした不注意で、せっかく築き上げたキャリアも一瞬にして無になる。気をつけなければ」