野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

7月10日(木)五嶋龍 / レナード・スラットキン / リヨン国立管弦楽団

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午前中、昼前頃の空。

 

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いつの間にか、花の季節が変わった。

 

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今年もご近所の家で海紅豆(かいこうず / ハナデイゴ)の花が咲いた。

 

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サルスベリ百日紅)が咲けば夏。花期が長い。

 

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台風第8号(ノグリー)が接近するなか、夕方から川口リリア・メインホールに向かう。

 

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今日のミニ・オフ会は赤羽エキュートの鶏三和。

 

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台風ノグリーから吹き付ける風の中、川口駅の空中回廊をリリア(正面のビル)に向かって歩く。

 

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 今日のプログラムの最初は、レナード・バーンスタインの「キャンディード序曲」。TV番組「題名のない音楽会」の現在のオープニングテーマ曲でもある。

 そしてエドゥアール・ラロ(1823-1892:フランス)の「スペイン交響曲」。交響曲となっているけれど、5楽章からなるヴァイオリン協奏曲の形態をとっている。ソリストは五嶋 龍。第1楽章では、オケがソロについていけないような印象のところがあったけれど、徐々に回復。第5楽章では絶好調になった。

 アンコールの拍手に応えて五嶋 龍が披露したのが、ヴィエニャフスキの「創作主題による華麗なる変奏曲」。これが本当に素晴らしい演奏で、スペイン交響曲が霞んでしまうほどだった。五嶋 龍、カッコ良すぎ。

 休憩を挟んで、今夜のメインプログラムであるベルリオーズの「幻想交響曲」。この前衛的な交響曲の初演は1830年ベートーヴェンの死後、わずか3年。

 いろいろなところに書かれているとは思うけれど、ベートーヴェンの英雄交響曲、この幻想交響曲、そしてストラヴィンスキーの「春の祭典」の初演時の演奏は、現在聴く演奏ほど完成されたものではなかったことだろう。

 それは演奏の困難さに加えて、時代を先取りしすぎているからだ。未来のセンスを持たなければ作曲者の意図を表現することが困難であるのは想像に難くない。

 幻想交響曲は耳タコなくらい聴いているのに、今夜の演奏は新しかった。1980年頃に聴いた、スラットキンの振るオリジナル「ラプソディ・イン・ブルー」(セントルイス響)くらい新しかった。

 ステージ袖で演奏されるバンダ(オーボエ、カリヨン)は、録音では楽しめない響き。

 そしてアンコール。スラットキンは、とても聞き取りやすい英語で「我々は、もうひとつショート・ピースを演奏します。それはカルメンから。でも違うバージョンだ。私の父の」。会場から「オウ」というような声が漏れる。

 曲名は「カルメンズ・フーダウン」。ビゼーカルメン序曲がカントリー風に演奏され、そこに闘牛士の歌がかぶさってくるという楽しいアレンジ。実は開演前にパーカッション奏者がラチェットのテストをしていたので、不思議に思っていた。それは、この曲のために用意されたものだった。

 

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F. フラットキンとなっているのはご愛嬌。レナードの父親のフェリックス・スラットキンも指揮者。エーリヒとカルロス・クライバーも親子で指揮者だった。