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4時間半以上の自由時間を得たので、かねてからの懸案(?)であった荒川上流域未走行区間へ出かけた。
計画では桶川市にある樋詰橋(ひのつめばし)を渡って、本田宗一郎氏が1964年に設立したホンダエアポートへ至るコース。実際には樋詰橋近くで出会った土地の人に道を尋ねた時に、更に上流の太郎右衛門橋が、そう遠くないようなところに見えていたために、太郎右衛門橋を周回して北からホンダエアポートに至るコースを取ることになった。
スタートは、いつもの彩湖堤防。
今日は空気が澄んでいる。ただし、堤防上では強めの北風(往路では逆風)が吹いている。
秩父連山の一部をズームアップ。
北風に逆らいながら、上流を目指す。武蔵野線荒川橋梁、海から33.6km。
堤防を降りて秋ヶ瀬公園に入ると、多少北風が和らぐ。
羽根倉橋を過ぎて、ACR左岸コース本番。ここに来ると気合が入る。
森のトンネルであった場所も、空が開けて切り通しのようになってしまった。また、来年の初夏にはトンネルになることだろう。
再び北風(ここでは北東の風)が強まって、我慢のペダリング。
治水橋通過。海から42.0km。
上江橋通過。海から45.0km。
開平橋通過。海から48.2km。
11月28日にも休憩をとった同じ場所で、最初のエネルギーチャージ。
ヘルメットのインナーパッドを冬用と換装。メッシュ構造が、本来ならばロードバイク用ヘルメットの重要な要素であるベンチレーショ機能の一部を制限して、冬の寒さをかなり緩和してくれる(本来の用途は夏の虫対策。しかし夏に使うと暑い)。
さらさら荒川。
ここまで25kmノンストップ。いつの間にか持久力もついた。来月ハーフマラソンに出場するという60代のスポーツ夫婦も休憩に来て、彩湖まで走ることもあると話してくれた。ハーフマラソン完走は夢のひとつ。
秩父の山が近づいた感じがする。実際、見て分かるほど近づいているに違いない。
この道を行けば樋詰橋まで最短距離だけれど、別ルートで榎本牧場に立ち寄る計画なので一時荒川を離れる。
天台宗の徳星寺(とくしょうじ)。大カヤがある。
「荒川ぐんぐん自転車旅マップ」推薦の榎本牧場。人口密度が低いところを走ってきたので、この牧場の賑わいにをすぐには受け入れられず、なにかのイベントが行われているのかと思ってしまったほど。ずらりと並んだバー・スタンドには色とりどりのロードバイクが数十台。私はデュアルコントロールレバーと105を装備した、初めて見る2台の高性能ミニベロの隣にトンちゃんをぶら下げて、併設されたアイスクリームカフェ、フォルトゥーナに入った。
春から秋のシーズンには、バーベキューが人気らしい。
寒かったにもかかわらず、私はアイスクリームを食べたかった。
誰もが常連らしく、慣れた調子で注文していく。
「ご注文は?」
「えっと・・・」
結局、薦められた「ミルク」を既にお姉さんが手に持って用意していたコーンではなく、カップで注文。受け取ってから周囲を見たらコーンの人ばかり。カリカリとおいしそうに食べていた。次回はコーンでほかの味を試してみようと思う。アイスクリームは、とても美味しく、でもそれは、長距離を走ってきたことも大きな理由なのではないかとも思った。走った後のアイスクリームは絶品だ。
ACR上流域を走る人たちは、榎本牧場の常連になる確率が高いと思う。それは、ほかにカロリーチャージをする場所がないからだ。もし、榎本牧場から離れたACRの本線近くに手軽なエナジーチャージの店を開いたら大繁盛間違いなしだろう。
ひょっとしたら、先ほどのアイスクリームは、彼女の作品かも知れない。
あ、トンちゃんもいた。
ACR本線に戻る。なんと、上流に橋が見える。たまたま通りかかった人に尋ねると「太郎右衛門橋」だという。樋詰橋は振り返ったところに見えていたが、もう太郎右衛門橋を渡ることに即決してしまったので、このまま進むことにした。
対岸にホンダエアポート。
次々と軽飛行機が離陸していく。
道を尋ねた人に教えられた名刹、東叡山 泉福寺。