野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

10月12日(月)体育の日 達人たちの凄技

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午前中の買い出しで通りかかった笹目川中央橋下の大物。

 

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 カミさんの通勤車である「キャベ2」(以下CB2)の前輪スローパンクが疑われたので、昼前に近所の個人経営の自転車店に出向いた。ここの店主もなかなかの達人で、スローパンクも面倒臭がらずに修理してくれること請け合い。

 達人はチューブを抜き出すとエアを高めに入れて、お約束の水攻め。あちらこちらをマッサージするように小さな空気穴を探すこと、わずか30秒。バルブの根元にピンホールを発見。これは修理不可能な場所だ。

 しかし、達人はすぐには修理にとりかからない。タイヤの裏側を探っている(画像)。そして、彼は指でなでても分かるか分からないかというような突起を2つも見つけたのだった。ひとつはセラミックのような材質でサメの歯のようなウェッジシェイプの棘、もうひとつは金属の針、あるいは針金の一部のようなもの。どちらも突起が短すぎて抜けない。

 彼がタイヤのトレッド面から工具で押し出し、私がラジオペンチで抜くというコンビネーションワークでなんとか抜去。安全になったタイヤと新しいチューブをホイールにセットしてくれた。

 凄い仕事を見てしまったと感激して帰宅、この時には、もう一度凄い仕事を見ることになるとは夢にも思っていなかった。

 

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 午後2時、ちょっと遅くなってしまったけれど荒川河口目指してTN号で出発。

 

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 珍しいくらいの無風、あるいは時おり南からの微風。気温も22度から23度と最高の条件。

 

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連休最終日なので人がたくさん。ロードバイクも日本中のライダーたちが集結したのではないかと思われるほど(さすがにそれはない・・)たくさん走っていた。

 

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間もなく首都高速6号向島線というあたりで、いきなりシフトチェンジが怪しくなり、続いてTN号のペダルが重くなった。すぐに止まって確かめると、リアディレイラからスプロケット、チェーンに透明なビニール袋の残骸と思われるものがたくさんまとわりついていた。これでは走れないはず。

 

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こういう時のために、精密な作業ができるラテックス製のぴったりフィット、しかも油汚れを通さない作業用手袋、同じく油汚れに強いゴム引き軍手、そして普通の軍手をいつも持ち歩いている。

 

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まず後輪を外し(こういう時、ロードバイクはママチャリよりも整備性が高い)、リアディレイラも分解してプーリーも取り出す。なんとベアリングの中にもビニールが入り込んでいる。しかも、それを全ては取り出せないのだった。

 

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これも持ち歩いている一冊。これさえあれば、バイクをバラバラにしても元に戻せる。

 

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結局ビニールの破片の除去に1時間近くを費やし、陽は西に傾いてしまった。にもかかわらず、プーリーの一つは頑として回らない。しかし、無理やり乗ってクランクを回すと、なんとなく走る。リアディレイラは悲鳴を上げているものの、走っているうちにベアリングが噛んだビニールが摩擦熱で溶けたのか、とにかく前進するようになった。ギーコギーコ。

 

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丁寧にペダリングして、だいたい15km/hくらいのノロさでTN号の実家である25km先のプロショップを目指す。

 

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ゆっくり走ると荒川は長い。画像は隅田川の起点。

 

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戸田橋を渡り終えた頃には、もう日没が近い。

 

 夕闇が迫る頃にプロショップに到着。店主に事情を説明すると、すぐにリアディレイラを分解、あっという間に問題のビニール片を取り出した。それからディレイラの微調整、全てのギアがサクサクと決まるようになった。さらにフロントディレイラのシフトケーブルが重くなってきているということで、再潤滑。

 次のロードバイクはドマーネ5シリーズと話してあるのだけれど、彼は「ドマーネの5は、今どこにもないね。人気なんだと思うよ。フレームも完成車もどちらもない。乗り心地が良いのに決してグニャグニャしないからね、あれは・・・」。

 円安の影響もあるのか、ロードバイクは値上がりが続いている。たとえばドマーネ5.2は2015年モデルは30万円台だったのに、2016年モデルの完成車は41万円になった。フレームから好みのコンポで組んでもらったら50万超えは確実だろう。

 貯金だ、貯金。いや、その前に働かなければ貯まらないぞ。

 

 店を出てペダルを踏んでシフトした途端、今日2度目の凄技があったことに気づいた。TN号が新車時のフィーリングに戻っていたのだった。