野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

4月21日(日)わらびオペラ合唱団「メリー・ウィドウ」

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 午前中はレッスン。午後から「わらびオペラ合唱団」の第2回公演「メリー・ウィドウ」に。

 市民講座から発展して結成された市民オペラ。主な役はプロが担っているものの、2時間に及ぼうかという舞台を作り上げるエネルギーは強烈だ。

 音楽と歌詞と演技の全てを記憶し、全員が精緻な時計のように噛み合って動く。客席はもちろんのこと、出演者は本当に充実した時間となったことだろう。

 

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終演後ホールを出ると雲間から夕陽が。

 

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帰路に咲いていた花。花の知識がなくて名前が分からない。

 

 一度帰宅してからモリアキ翁の病室へ。

 

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新着の手紙を読むモリアキ翁。パジャマ1枚では、少し寒い気温のため、掛け布団を羽織っている。

 

 モリアキ翁は浅田次郎の「一路」を非常に面白いと評価していた。上巻を読み終えそうなので、明日は下巻を届ける約束。

 

 今日の我が家は夕食の支度がカミさんなので、私がモリアキ翁の夕食に付き合う。

 

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モリアキ翁の今日の夕食。見た目は普通だけれど、どれも美味しそうな匂いがして、昔の病院食とは格段の違い。

 

 暗くなってから病院を出て、水汲みに。

 

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この道路表示は、以前面白サイトで見たもの。わざわざ戸田市まで取材にやってきて(筆者は「埼京線は初めて」と書いていた)、この「あ!」をブログで報告していた。最近、ここを通りかかった時、たまたま同乗していた “風” が先に気づいて「あ! だ・・」と言った。

 

 夜9時からはテレビでシェーンベルクの「グレの歌」。ずっと待っていた番組だった。グレの歌は音楽史上でも稀に見る大規模編成による楽曲。2001年に新星日本交響楽団と合併して日本最大、世界でも有数の巨大オーケストラとなった東京フィルハーモニー交響楽団でなければ実現が難しかったことだろう。

 2時間を聴き終えて、本音は疲れ果てたというところ。初期のシェーンベルクの作風は後期ロマン派そのもので、旋律線そのものは決して難しいものではないが、全体像を捉える力は私には足りなかった。それでも市民オペラに負けない、グレの歌に対するエネルギーを感じた。