野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

11月23日(土)

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 今夜のEテレの「テクネ 映像の教室」の「ワイプ」は、とても面白い。この再放送を見つけたら必ず録画しようと思う。

 こういう番組を見ると、たくさんの才能が現代という時代を作っていることをひしひしと感じる。

 そういえば、ずっと探し続けてた「みんなのうた」のタイトルのひとつが今日判明。ユミローズというアーティストの「道」という曲だった。小野修さんというCG作家によるバックのアニメーションがイメージ豊かでとても素晴らしい。みんなの歌を見る機会のある人なら、大抵知っているのかも知れない。

 下の動画リンクはフルバージョンではないけれど、サワリは楽しめると思う。

ユミローズ「道」

 

 才能といえば、日本のエベレスト登頂者の記録のなかに岩崎圭一さんという人がいた。この人は海抜0mから徒歩でエベレストにアプローチし、登頂後、再び海抜0mまで徒歩で到達したという、別の意味で強烈な才能の持ち主だと思った。

 調べてみると、2001年に所持金160円と友人からもらったフェリーのチケットだけで韓国に渡り、以後、ずっと無銭旅行で世界を回っている人であることが分かった。主な移動手段は自転車。カスピ海は手漕ぎボートで渡ったらしい。カスピ海は、日本とほぼ同じ面積。海洋のようなはっきりとした潮流がないとすると、ボートで渡るというだけで偉業と言えるかも知れない(詳細は、まだ分からない)。

 こういう才能は、たとえば澁澤龍彦のような人の対極に位置するものではないだろうか。

 ここで澁澤龍彦を例に挙げたのは、今日の昼ころに、ずっと昔になくしてしまった加藤郁乎の詩集「ニルヴァギナ」の冒頭部分を急に思い出したからかも知れない。

 「とりあえずさよならのゼラチンをこぼすと上げ底のネバモアがもどったりする・・・」以下忘却のかなた。

 あとがきには、紙を不経済に消費するための大きな活字の使用を許してくれたという編集者だか出版社への謝辞が記されていた。

 さっぱり意味の分からない書物だったが、言葉のリズムの面白さで何度も読んでしまった。高校生の時のことだった。

 わけの分からないメロディーでも、それに合うリズムを与えると名曲になったりするものだ。問題は、その「リズム」に到達するセンス。試行錯誤などで決して到達できないのは、忘れ得ぬメロディーが試行錯誤では生まれないのと同じ。

 

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日陰の雑草ガーデン

 

 

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柱上トランス。風景に溶け込んでしまって目に止まりにくいけれど、マンホールの蓋と同じくらいデザイン性が高いように思えたりもする。

 

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