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今日は「埼玉で竜巻が起こった日」として記憶されることになる日。
私としては「田代慎之介さんのリサイタルに行けなかった日」だろうか。プログラムにバルトークが4曲も。そもそもバッハ、バルトーク、ショパンというラインナップは直球ど真ん中。
竜巻発生2時間前の川口市の空。越谷はすぐ隣。
午前中はモリアキ翁94歳の定期通院。薬局で待つ間、そこにあった雑誌で関川夏央さんの「世界人口が二十億人だったころ」というコラムを興味深く読んだ。
80年前、世界人口はわずか20億人だった。80年と言えば、人の一生と同じくらいだから経験可能な時間だ。それは旧ソビエトでスターリン独裁が始まった頃で、現在では干上がって消失寸前のアラル海が地図上では大きい。第1次世界大戦後に独立したバルト三国は、第2次世界大戦でドイツ領、イタリア領となり、その後ソビエトに編入され、ソビエト崩壊で再び独立国に戻った。アフリカでは独立国は3国で、東南アジアではタイ一国のみ。イギリスは本国の150倍の面積の植民地を持ち、植民地のどこかは必ず昼だったので「日の沈まぬ帝国」と呼ばれた。フランスもスペインも広大な植民地を持っていた。今では想像するしかない世界だった。
私は冷戦時代の世界地図が記憶に染み付いてしまっているが、10代の終わり頃、解体される前の鹿鳴館の近くで仕事をしていたというモリアキ翁の世界観は、どの時代のものだろうか。
夕空
オオアレチノギクとヘクソカズラのシルエット