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朝は快晴だったのに、10時過ぎには西から雲が押し寄せてきた。
気象情報によると、今日は上空に強い寒気がやってくるので大気は不安定。雨が降る前に水汲みを済ませようと、BW号で出かけた。
脚が3日間ペダルを回さなかったことを教えてくれる。まるでピアノの鍵盤と同じだ。
夜になってから、録画しておいた「ニューヨーク白熱教室」のミチオ・カク博士の講義を観た。
「夜空は、なぜ暗いのか(彼は “黒いのか” と表現した)」という話から始まった。天文学の世界では「オルバースのパラドックス」と呼ばれる有名な問いだ。
私が小学生の時は光について正しく理解していなかったので、この問いかけがなぜ成立するのか納得するのに時間がかかった。その頃愛読していた小学館学習大百科に、風船上の米粒で宇宙膨張を説明するページがあって、それでようやくオルバースの問いを理解できた。かなりの衝撃だった。しかし、さらに衝撃だったのはオルバースが18世紀の生まれだったことだ。小学生にとって18世紀は中世と区別できないくらい昔のことだったからであることは言うまでもない。
ミチオ・カク博士の講義は理路整然としていて実に分かりやすい。オルバースのパラドックスに最初の解を与えたのがエドガー・アラン・ポーであることを初めて知った。ポーが示した宇宙像は「時間的にも空間的にも有限の存在である」というものだった。
オルバースの問いかけの前提は宇宙が無限で始まりも終わりもないというものだったからだ。
実際に、それを事実として示したのはエドウィン・ハッブルだった。彼はセファイド型変光星の距離指標を利用して、アンドロメダ銀河が銀河系の外にあることを証明した。ハーシェル宇宙の終焉だった。しかも、それは、まだ100年も経っていない1924年のことだった。
1916年には、アインシュタインが一般相対論で宇宙方程式を提示(1917年に宇宙項を追加)、それをアレクサンドル・フリードマンが解いたのが1922年。宇宙は膨張することが示された(実際には膨張してから収縮・静止・さらに膨張の3モデル)。これに対してアインシュタインは静止宇宙モデルを主張した。
再びハッブルが登場し、ハッブルは多くの銀河の赤方偏移(ドップラーシフト)を測ることによって、宇宙が膨張していることを観測的に証明した。これが1929年。天文学は20世紀になってようやく、このような宇宙像にたどりついたのだった。アインシュタインも静止モデルの誤りを認めた。
1964年には偶然によってアーノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンが3K背景放射を発見し、宇宙膨張の原点であるビッグバンの存在が明らかになった。
1930年代にフリッツ・ツビッキーによる銀河団の観測によって恒星や星間分子雲などでは説明できない「足りない質量」があることが分かり、暗黒物質が予言された。
1960年代に、ヴェラ・ルービン(アメリカの女性天文学者)が銀河の回転速度の観測によって暗黒物質の存在を指摘した。それは、重力レンズ効果によっても観測可能だけれど、正体は分かっていない。
21世紀に入ると、ダークエネルギーが宇宙の大部分を占めることも分かってきたが、それも正体は謎のまま。
ちなみに、ミチオ・カク博士の講義はブラックホールや平行宇宙について多くの時間が割かれた。ワームホールやタイムトラベルの可能性は超弦理論が示唆している(私は、それらを、いまだ理解していない)。
気温が上がったので、大物が水面近くに上がってきた。
天候急変
天気雨
これは偏光サングラスをフィルター代わりに使って撮影したもの。
これも同様。
今日、初めて見つけた廃屋(だと思う)。なかなか素敵な佇まい。
このような暗雲が数回、近くを通り過ぎた。
強風に波立つ笹目川
雷雨の後の太陽。帰宅していたので難を逃れた。