野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

10月20日(土)

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 今日も良い天気。

 昨日のレッスンはベートーヴェン。以前にも書いたことがあるが、その姿を捉えるには、まずベートーヴェン以前のウィーン市民と同じ感覚で、その作品を聴くことが一番だ。

 ベートーヴェンは、ウィーンの楽壇に登場した時から人々に衝撃だったに違いない。まだ音楽を単なる楽しみと考えていたウィーンの音楽愛好家たちは彼が周到に繰り出す新作にしっぺ返しを喰らった。実は、私も昨日ベートーヴェンから同じような仕打ちを受けてしまった。

 初めて弾いてから数十年も経つ曲がようやく分かった気がしたのだ。それでも、生きているうちで良かった。

 今日のレッスンはプロコフィエフベートーヴェンと同じくらい長く付き合ってきた作曲家だけれど、奥が深くてますます魅力的になっていく。今日は夜のレッスンが終わってから作曲もせずに、ずっとプロコフィエフを聴いていた。ソナタ第2番第3楽章に、まだまだ発見しきれない魅力があって、宝探しをするように楽譜とにらめっこをしていた(そう、楽譜もこちらを見ているのだ)。

 少し前から自分自身のピアノソナタのスケッチをとっているのだけれど、音楽史レベルには、ほど遠いものばかり。明日から、また仕切り直しだ。

 昨日も夜更かししてしまったので、今日こそ早寝。誓って早寝する。