野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

12月8日(土)東長寺 成道会 本堂チャリティーコンサート

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 今日の夕方は東長寺 本堂コンサートに。

 

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最寄り駅ホームから西方向

 

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土曜日の新宿はいつも混雑。東長寺まで歩く。

 

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東長寺山門前

 

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東長寺内部。とても豪華。

 

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お寺ではトイレのことを東司というらしい。

 

 成道会(じょうどうえ)とは釈迦が悟りを開いたことを記念して行われる法要。

 コンサートの前に、僧侶たちによって声明のような読経で法要が行われた。まるで仏教版 “テヒリム” 。とてもカッコ良くて、黛敏郎が涅槃交響曲を書きたくなった理由が分かったような気がした。ただし、彼が聴いたのは天台声明(しょうみょう)。

 法要は巨大な “おりん” が打ち鳴らされてスタート。梵鐘を男声、おりんを女声とするならば、東長寺本堂の “おりん” はコントラルト級。超低音の響き。

 

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直径は80cm、あるいはそれ以上だったかも。

 

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木魚も巨大。こちらはオクトコントラバス級。

 

 巨大木魚を打つマレット(?)のヘッドもかぼちゃ、あるいは子どもの頭ほどのサイズで、こちらもスーパーウーハのような極低音。座っては打てない。立って打つ。

 

 東長寺内にはライブスタジオを兼ねたカフェ “きあん” があって、私のフルート・ソナタは、そこで初演が行われたのだが、今回の出演者8名(たぶん)の皆さんは、カフェ・きあん で演奏経験のある方々ではないかと思った次第(未確認)。

 折田緑さんという方のオカリナの演奏が素晴らしくて、すっかりオカリナを見なおしてしまったのだけれど、彼女はフルーティストだった。なーるほど、という感じ。

 コンサート全体を構成したのは尾崎知子さん。前にも書いたけれど、彼女はエンタテイナーで、もし私が同じ仕事を頼まれたとしてもこんなに飽きさせないステージは作れないと思う。

 ショパンのa mollのワルツ(楽譜では第3番)の後にアリア。ショパンの後という厳しいポジションは過去にも少なからずあったけれど、最近は気にならなくなった。

 プログラムの終わり近くに成道会の歌というものがあった。文部省唱歌のような平易な曲に思えるのだけれど、これが曲者(くせもの)。同じ主題どころか、動機すら反復、あるいは再現されることがなく、常に新しいメロディーが流れる。作曲者は素人なのだと思うけれど、これを覚えるにはかなり長い間聴き続けるか、あるいは楽譜が必要。

 ちょっと聴くと分かりやすい曲だけれど、実は20世紀前衛音楽よりも難しいという、なぜ楽式論を学ばなければならないかが分かるような実例。

 

 夜はレッスンがあったので、コンサート終了後すぐに帰宅。今夜のナナちゃんのノクターンは録音すべきだった。失敗。来週は、もうステージを終えているので、録音してもちょっと気が緩んでいるかも知れない。

 そういえば、午前中のヒロくんも録音すべきだった。