野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

8月2日(木)

270585

 

 もう四半世紀以上前のことなので記憶も曖昧だけれど、映画の「ロマンシング・ストーン」か「ナイルの宝石」の冒頭で、主人公の女性小説家が作品を執筆中に自作品に感激して号泣するシーンがあった。

 かなりコミカルに描かれていた印象が残っているのだが、多くのクリエイターにとっては当たり前のことかも知れない(さすがに号泣したことはないし、そういう人は多くないと思うけれど)。そもそも自分が感激できない作品を書き続けることは難しいだろう(連載の締め切りが間近に迫っている作家は別かも)。

 ベートーヴェンが月光ソナタを書いていた時や、月光ソナタ第3楽章に触発されたショパンが幻想即興曲を書いた時などは、彼らは興奮したに違いない。月光ソナタ第3楽章の自筆草稿には、その興奮が見え隠れする。

 つまり、それがクリエイターを突き動かす衝動になる。だから、クリエイターはネット環境がなくとも引きこもることができる。というか、引きこもらずにはいられない。内から湧き出てくるアイディアとウェブ上の情報を天秤にかけたら、1億倍くらいの差で、自分のアイディアが勝つ。

 だからアイディアがない時だけ真人間。

 

>今日の気持玉

・1β_こきりこ <驚いた>1

・2α-68_ひつじ雲を見上げて <ナイス>1

・3β-19_森からの風 <ナイス>2