野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

8月16日(木)

270945

 

 読売新聞の時代の証言者に作曲家の一柳慧(いちやなぎ・とし)さんが登場していた。御年79歳。いまだに毎日必ず最低1分以上の曲を書いているとのこと。これは賞賛に値する。

 ジョン・ケージらと次々と新しい音楽を試みたことは有名。オノ・ヨーコさんの最初の夫であったことも(一種の驚きをもって)知られている。

 彼の60年台、70年台の実験音楽には共感できるものがあまりないが(ピアノメディアは、ミニマルの魁(さきがけ)としてちょっと面白い)、21世紀以降は尖った作品は少なくなった。

 衰えぬ創作意欲は見習いたい。

 

 今日は3日前に続いて数学者のM先生のレッスン。3日前の作曲課題の残りを見せていただく。

 今日は面白い曲が多く、今までもっとも実り多いレッスンとなった。返すがえすも残念なのは、過去の大作曲家の作品(つまり、人類の地平線)を聴きこんでいないことだ。音楽を聴くということは強烈なエネルギーを消費するので、誰にでもできるわけではない。M先生にはぜひ頑張っていただきたい。