野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

3月21日(木)

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 今日、“たろ” が仕事前に多摩美術大学の卒展に行って、久野遥子(くの・ようこ)さんという人の卒業制作動画(手描きフルアニメーション)に感激して帰ってきた。

 「とむりん、この人すごい才能だよ」

 といって見せてくれたのが「Airy Me」という動画。卒展の図録を買えば、付属のDVDで鑑賞可能だが、残念ながらWeb上では見ることができない。

 動画がスタートしてすぐに作者の才能があふれだすような作品だった。使われている線は必要最小限で、フルアニメの特徴を生かした線は小刻みに震えながら色を変えていく。

 天才は教育では育たたない。しかし、才能任せでも駄目だ。陶冶(とうや)といえばよいのだろうか。他の優れた才能によって目覚めさせられたりする。

 

 ヴィクトール・フランクルの「夜と霧」を初めて読んだのは高校生の時だったが、とても最後まで読めなかった。NHK「100分de名著」という番組で現在、本書を取り上げているので、全4回シリーズのうち第3回まで観た。

 ヴィクトール・フランクルは強制収容所という過酷な環境の中で、人が生きる価値を3つ挙げている。それは「創造価値」「体験価値」「態度価値」。

 この深夜に詳しく説明する気にならないのが申し訳ないが、人が生きている最大の理由は、まさにフランクルの書いたとおりだ。そして、天才的な才能に出会うこともそれに当たる。

 きっと、作者の久野遥子さんは優れたクリエイターとして世の中に知られていくことだろう。

 

 そう言えば、今夜のS君のレッスンは、スタンリー・キューブリックの才能の確認作業だった。今年(2013年)の9月に期間限定、それも朝10時の回だけだが「2001年宇宙の旅」がシアターコクーン(さいたま新都心駅)で上映される。これは絶対見逃せない。

 

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