野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

3月22日(金)

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 放送大学(ラジオ講義)で、アブラハム・マズローの「人間の欲求5段階説」についての説明があった。以前にも、別の機会にこの話題が出たことがあるのだが、何も知らなかったにも関わらず調べもせずにそのままになっていた。だから今日は全身を耳にして聞いていた。

 低次の欲求から順に書くと以下のようになる。

1.生理的欲求

2.安全欲求

3.社会的欲求(良い人間関係や集団への帰属欲求)

4.尊厳欲求(他者からの承認欲求)

5.自己実現欲求(創造的欲求)

 

 この配列が、なぜ低次から高次へとという順序であるのかというと、生理的欲求が満たされると安全欲求が現れ、安全欲求が満たされると社会的欲求が現れるからとされている。

 作曲家(たぶん芸術家全般)というのは自己実現欲求の塊だと思うのだけれど、3番、4番あたりが満たされていなくとも、強い自己実現欲求があるのはなぜだろうか。いつの日か、きっと承認されると思い込んでいるからか・・・。

 

 夜、カミさんを彼女の実家まで迎えに行った時(彼女が実家に逃げ帰ったというような不穏な話ではない)は、「分子の化学」というラジオ講義で、今日は高分子化合物。ゴムからポリアミドのような工業材料から、抗癌剤のような医療分野のものまで高分子化合物を概観できる内容で実に興味深いものだった。

 ポリアミドであるナイロン6とナイロン66がまるで別のポリアミドであるという説明は眼から鱗が落ちるような明快な解説。あるいはケブラーが1965年という早い時期に開発されたこと、デュポン社だけではなくイーストマン・コダック社など異業種他社も高分子化合物の研究に熱心であることを知った。

 この講義では「けいさんき」が計算機ではなく、珪酸基に聞こえるから不思議だ。イントネーションは全く同じだと思う。

 それにしても、化学分野の人たちの記憶力は驚嘆すべきものだ。物質名が長すぎるし、種類も多すぎる。化学名は、ある程度ルールに則って命名されるのでなんとかなるかも知れないが(命名法の基礎となっているアルカン類なら、ペンタデカンまで化学式と名前を覚えている)、ひとつひとつ商品名がつくとなると話は別だ。そういえば、薬学部の場合は同じ効能の薬でもメーカーごとに別々の名前がついてしまうから、もっと大変かも知れない。

 

 内緒だけれど、ソナチネ第10番第1楽章の作曲が進んだ。公開は、まだ先。

  

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桜はいい。

 

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フローリストにとっても良い季節だ。

 

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作曲工房も標高は同じくらい。覚悟しておこう。

 

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しつこく作曲工房の桜。今日は別方向から。

 

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紫陽花の葉が大きく育って、木瓜の間から顔を出した。