野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

2月13日(木)

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 マシンとツールの違いは、ツールは使い手次第でマシンは作り手次第ということではないだろうか。実際にはピアノやPCはツールとマシンの両方の特性を兼ね備えていて、実は、それはノコギリのようなツールにも当てはまるのだが、ここではツールという特性に焦点を当てて書きすすめる。

 要は、モノを買う時には “使い倒す” ことを前提に選ぶということだ。使い倒す頃には、使い手も達人となっているかも知れない。

 ピアノを弾き倒す、自転車を乗り倒す、PCを使い倒すなど、何でもいい。必ず、その使い手には得るものがあることだろう。

 フィルムカメラの時代は1枚1枚がとても高くついたので、カメラを使い終わるまでにパトローネ100本しか撮らない人もザラにいたと思う。デジカメになってからはバッテリーの充電代程度で済んでしまうので、連写やオートブラケット撮影をしていると1万枚の撮影などあっという間だ。デジカメを使い倒すというのは、どの程度使い込んだら言えるのだろうか。

 

 今日、たまたまアンジェラ・ヒューイットが弾く「クープランの墓」を見つけて、中でも「フォルラーヌ」に釘付け。フォルラーヌにだけ一箇所、ちょっとした指のもつれがあるのだけれど、そんなことは全く問題としない演奏。こんなに生き生きとしたフォルラーヌは思いつかなかった。

 「クープランの墓」はアンヌ・ケフェレックとジャン=イヴ・ティボーデの全集版で聴いていたのだが、バッハ弾きのアンジェラ・ヒューイットは死角だった。

 

フォルラーヌは6分30秒過ぎから。プレリュードもフーガも素晴らしいのでぜひ最初から。終曲の颯爽としたトッカータは他のピアニストたちを唸らせるかも知れない。


Maurice Ravel - "Le tombeau de Couperin" by Angela Hewitt - YouTube

 

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今日も朧月だった。もうすぐ満月。明日は雪の予報。