野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

10月25日(金)

283011

 

 体調回復。

 いきなりだけれど。二重振り子の動画をご覧いただきたい。

 


High Performance Double Pendulum ver.2 / 高性能二重 ...

 

 振り子の先に、もうひとつ振り子をつけるとカオス的な要素が大きくなって、その動きを力学的に予想することが難しくなる。

 

 数学と音楽は親和性が高く、特に20世紀中葉には数学が作曲の諸問題を解決するのではないかと考えられた時期もあった。

 しかし、人々は数学から音楽を作り出すことはできても、音楽から数学を聴きとることはできないことのほうが多かった。

 ただし、フィボナッチ数列は意味があると感じており、実際に私自身、大変お世話になっている。

 オックスフォード白熱教室の第3回(Eテレ10月8日放送)でも数学と音楽との親和性をテーマにした部分があった。それらは(作曲の世界では良く知られた例であり)数学的には興味深いものだったが、音楽的に意味があるかどうかは判断が難しいものだった。

 名曲と、すぐに忘れ去られてしまう(覚えてもらうことすらできないと言ったほうが分かりやすいだろう)曲との楽譜上の差は(少なくともグラフィック的には)少ない。しかし、音楽として鳴り響いた時には、人々に全く異なる印象を与えることがあるだろう。

 それは感銘と無関心。

 名曲が生まれるのは、カオス理論におけるバタフライ効果と同じくらい、インスピレーションの微小な差によるのだと思う。