野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

10月2日(火)

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 今日はレッスンで音楽史、それもバロック以前(レオニヌスからパレストリーナ)を扱った(全然時間が足りない)。

 以前から書いているように、音楽史の書物を時系列順に読み解いていっても大抵は “霧の中” で、その時代の空気を呼吸するつもりで挑まなければ収穫は少ないかも知れない。

 オケゲムジョスカン・デ・プレの音楽を聴いて驚愕するには(そう、音楽史は驚愕の連続なのだ)、彼らの音楽をまだ知らない人々と同じ耳で聴かなければならない。

 稀に、現代の耳で聴いても驚く作曲家もいる。その代表格がジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643)だが、彼は既にバロック時代の作曲家だから、今日は彼よりも更に1世紀前の作曲家アドリアン・ヴィラールト(1490-1562)を紹介したい。

 

Adrian Willaert "Vecchie letrose"

 

  いかがだったろうか。20世紀のポップ系の曲だと言っても通用するのではないだろうか。400年も昔に書かれた曲だとは思えないかも知れない。

 ア・カペラ版もノリが良いのでリンク。全員で手拍子を打つ演奏もあるのだが(下のリンクではない)、それは現代のゴスペルにも聴こえる。

 

ア・カペラ

Vecchie letrose

 

 有名な曲なので動画もたくさんアップロードされている。ぜひいろいろな演奏を聴き比べてみていただきたい。

 

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夕方の空