野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

6月26日(火)光井安子チェンバロリサイタル

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 今日はチェンバロ奏者、光井安子さんのリサイタルに行った。(プロフィールはこちら

 会場はルーテル市ヶ谷センター。開演は午後5時という早さ。仕事帰りでは間に合わない。

 新宿からの距離は4km程度なので、早めに家を出て歩くことにした。15時46分発の埼京線に乗れば新宿に16時11分着なので、ウォーキング感覚(6km/h)で歩けば開演前に充分間に合うはず。

 今日は快晴で湿度が低く、快適なウォーキング日和。

 

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 空間線量計を手にして、あちらこちら計測して歩く。ほとんどどこも0.05mSv程度。防衛省近くの歩道で0.09mSvになったけれど、測定誤差の範囲という気もする。

 

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 チェンバロは2段鍵盤の、写真のとおりの立派なサイズ。

 1曲目はバッハの「半音階的幻想曲とフーガ」。いつ聴いても複雑で緻密な曲だが、光井安子さんの演奏はとてもよく整理されていて美しい。というか、この曲が始まった途端、凄い演奏会に来てしまったという印象。

 会場の入りは3割から4割。なんというもったいなさだ。

 2曲めは彼女のオリジナルで「海・星」というペンタトニックが多用される旋法的な曲。日本というよりも、少し大陸寄りの旋法の使い方をしていた。途中で増音程と減音程によるモダンな響きの部分を持つテクニカルな曲だった。

 

 休憩時にはチェンバロリサイタルの醍醐味(?)とも言える調律が始まった。

 チェンバロの調律にはハープのものと似たT字のワインオープナー型の工具(ハンマーとは呼ばないに違いない)が使われる。

 ピアノとは違ってチューニングピンがなめらかに回り、弦を止めるのも難しくはなさそうだった。しかし、チェンバロはしばしば調律が必要。

 

 長めの休憩時間が終わって、第2部はゴルトベルク変奏曲

 アリアは節度を保ちながら歌われ、ピアノで聴くのとは異なる高貴な印象。と思っていたら、第1変奏が生き生きと演奏され、アリアと好対照をなした。第2変奏も第3変奏も、と、ひとつづつ書いて行きたいところだけれど、長くなるので第29変奏がパイプオルガンのテイストで聴こえたことを付記しておくにとどめる。

 今まで素晴らしいゴルトベルクも退屈なゴルトベルクも聴いてきたけれど、今日のゴルトベルクは、退屈など全く感じさせない演奏だった。

 

 私たちのもとに届く情報というのは、主に商業的な理由があるものが多く、「優れたものだから」という理由であるとは限らない。

 映画は、しばしば観客動員数で語られるが、観客動員数は前評判、あるいは宣伝量が大きく影響するので名画であるかどうかの判断は難しい。

 今日は、少ない聴衆の前で演じられた名演だった。

 

 ホールから外に出ると、まだ太陽は空にあってビルの壁面を照らしていた。これなら帰宅しても夕食に間に合う。と思ったものの、あまりに空気が清々しく、帰路も新宿まで歩くことにした。

 途中、「あけぼのばし通り」を通りかかった時に、スーパーのSANTOKU(三徳)を発見。私が子供の頃から続いているスーパーの老舗(昭和24年創業)。志村店に、よく行った(生まれて初めてコーラを飲んだのもこの店で買ったものだった)。先日なにげなく地図を見ていたら、スーパー「よしや」(昭和20年創業)がまだ営業を続けているのを知って懐かしくなった。こちらは、幼稚園のころ母に連れられて中板橋本店によく通ったものだ。東京23区内にあるスーパーは、その多くが小型店舗で、ちょっとした買い物でも面倒ではないところがいい。

 スーパー業界の浮き沈みはなかなか激しく、作曲工房周辺でも数多くのスーパーが誕生しては消えていった。スーパーマーケットは同じ系列、ブランドでも、店長と売り場主任によって店の雰囲気が大きく変わる。特に生鮮食品は売り場主任の力量がそのまま表れるので興味深い。

 

 今日の歩行距離は11.64km(15528歩)。これだけ歩いても332.2kcalしか消費しない。人間は燃費がいいのだ。有酸素運動強度は8.2エクササイズ。今週2日目にして、週間目標達成率38.6%。良い滑り出しだ。

 このあとニンテンドーDS生活リズム計のデータを読みとる。こちらも楽しみだ。

 

 食洗機の件は、担当者が明日現場の配管を確認に来てくれることになった。どういう見積りが出ても楽しみ。金額によって、こちらが対応を考えればよいだけなので、“家族力”のようなものが試される感じでワクワクするではないか。

 

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見かけると、ついつい撮影してしまうクレーン。