野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

7月1日(日)

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 早くも2012年は後半戦となった。

 モリアキ翁も間もなく93歳の誕生日よりも94歳の誕生日のほうが近くなる。最近は起きているよりも眠っている時間のほうが長くなってきたような印象。ちょっと心配だけれど、できるかぎり衣食住の快適な環境を提供したい。

 今日のびっくりは、「ジュリオ・カッチーニアヴェ・マリア」が、ロシアのギタリストで作曲家のウラディーミル・ヴァヴィロフ(1925-1973)の作曲だということ。ひょっとしたら有名な話なのかも知れないけれど、今日初めて知った。彼は自作を、過去の作曲家の名で発表したということだ。ウィキペディアには「ヴァヴィロフの作品は非常に広く出回ったため、新たに旋律に付けてまるで真の民謡の域に達したものさえある」という記述がある。それは凄い。

 ヴォーン=ウィリアムズの「“ラザロと富める人” の5つの異版」や「揚げひばり」を聴いて心打たれない人は少ないことだろう(いや、ほとんど話題に上らないようだから、心打たれない人が多数派か?)。人々の間で時代の波に揉まれて洗練され尽くした民謡はほとんど音楽の完成形をなすものだ。野に咲くスミレを、よく眺めてみたらその美しさに驚いたというのと同じで、自然が磨いたデザインの美しさは完成している。

 作曲を志す人は、天才でさえ音楽には全力で立ち向かっていることを肝に銘じたほうがよい。それは、マーズ・リコネッサンス・オービターやニューホライズンズを打ち上げたアメリカのロケットブースター、アトラスV型でさえ最大推力でリフトオフするのと同じだ。それでも足りないかも知れない。

 野の草ひとつでも森の木一本でも、それらのデザインは全て我々の想像力を超えている。

 それと同じように一人の作曲家がどんなに頑張ろうと、時代を超えて生き残った民謡には、なかなか敵わないものだ。

 

 そういえば、つい先程、録画しておいた大学ロボコンの日本代表決定戦を視聴。彼らが全力で取り組む姿はいつ見ても熱くなる。勝敗は、やはり想像力の差で決まった。つまり、ゴールするタイムを1分をきるかどうかに設定したチームではなく、40秒台前半と想像したチームが実際に最速となったということだ。

 おっと。3時までに寝ると決めていたのだが、ちょっと遅れてしまうかも。

 

>今日の気持玉

・4β_プレリュード '85 <ナイス>1

・番外_ゆがんだ小プレリュード <面白い>1