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この数日来の懸案であった「失われた過去の楽譜の復元」には失敗したものの、新曲が完成。
昨日の映画「鍵泥棒のメソッド」に出てきたベートーヴェンの「弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調」に「我が意を得たり」という気持ちにさせられた影響が大きいと思う。
「失われた過去の楽譜」というのは20代後半に書いていた「バルトーク・マニア」という連作で、完成した曲は数曲であったものの、アイディアは10曲分くらいあった。
実は、失われた楽譜は手書き時代には実に多く、組曲「扉(1979)」は唯一のミニマルとして今でも惜しいと思っている。ノーテーション・ソフトウェア時代でもファイルを失くしたり、誤削除したりするのだから手に負えないが、失った楽譜で再現できないものは、そういう運命だったのだろうと思う。
それで思い出したが、プロコフィエフは「ピアノ協奏曲第2番」のスコアをロシア革命のさなかに失い、それを後年、記憶力だけで復元したという逸話がある。やはり天才は凄い。
で、今日の曲には大切にとっておいた「バルトーク風に」をあてがった。このタイトルはバルトークの「トランシルヴァニアの夕べ」に対抗できる曲が書けたら使おうと思っていたのだが、それには届かなかった(というより、そんな曲は一生書けない)。
>今日のアップロード
「バルトーク風に」の楽譜第2版を書き上げた後、脳のクールダウンのために散歩に出かけて撮影した1枚。駅前のタワーマンション。完成すると30階。四半世紀にわたって「駅前に猫工場」であったことを考えると隔世の感がある。