野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

3月29日(金)

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今日、ちょっとだけ雲を抜けて顔をみせた太陽。

 

 モリアキ翁の昼食後、すぐに買い物に行って夕食の支度。

 運良く “風” の仕事が休みだったのでモリアキ翁の夕食の世話を任せて、蕨市立第2中学校吹奏楽部の定期演奏会に出向いた。

 作曲工房の子たちが、今年は4人在籍。

 蕨2中吹奏楽部はB編成ながら、今年度の東日本大会(B編成では全国大会に相当)出場を果たした名門バンド。

 招待されて出かけるバンド(与野高校・伊奈学園・大宮高校)がどこも全国大会出場校というところが埼玉県の強みかも(それ以外にも埼玉栄・春日部共栄などが交替で全国大会に出場している)。

 で、今日のコンサートも中学生とは思えぬ素晴らしい内容。

 彼女たちがコンクールで演奏したのはアメリカの作曲家デイヴィッド・マスランカ(1943- )の「リベレーション」という曲。楽譜が出版されていないらしく、作曲者に連絡して直接、楽譜を送ってもらったとのこと。その時のマスランカのコメントも紹介されていたけれど、彼は中学生のバンドからこの曲の楽譜を求められるとは思っていなかったらしい。いやいや日本の子どもたちを侮るなかれ、彼女らに不可能はない。

 リノベーションは楽器を吹かずに歌うところがあって、それがまた上手くてびっくり。

 アンサンブルも披露されて、当然のことながら見事。木管と打楽器の7人で演奏された「動物の謝肉祭」から「化石・終曲」は超絶技巧。シロフォンを演奏していた “さとちゃん” は、なんと超絶技巧プレイヤーだった。彼女の次のレッスン曲は難度を上げるから覚悟しておくように。

 休憩を挟んで、第2部はコスプレのコント・ダンス・歌などのオンパレードで、彼女たちの魅力が存分に発揮された素敵なステージだった。やらされてるという感じは全くなく、彼女たちの内側から溢れでたアイディアなのだろうと思った。

 “ひかり” ちゃんのソロ(サックス)は、もうセクシーと言えるレベル。聴衆は目も耳も彼女に釘付けだったことだろう(特に “とむりんせんせい” は)。

 テューバの “もえ”ちゃん は小学生の時にレッスンに通ってくれていた。金管アンサンブルで、この世界では有名曲であるジャイルズ・ファーナビーの「空想・夢・おもちゃ」を演奏。

そしてホルンの “あんな”ちゃんは、なんと今月から作曲工房一門に加わった新人。

 中学生の時から、こんな体験ができる子たちは本当に幸せだと思う。

 顧問の2人の先生も本当に楽しそうで、40代の男性顧問教諭はダンスも演技も(ユルさも)一流。凄い指導者だと思った。部員たちのお姉さんのようなもう一人の顧問も熱心さがひしひしと伝わってきた。

 吹奏楽部には体験した部員と顧問しか知らない、外側からは伺い知れぬ感動のドラマがあるものだ。この3年間の体験だけで一生を生きて行けてしまう子もいることだろう。

 そんなことを考えながら、幸せな気持ちで帰路についた。

 

 

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まだ見頃の桜

 

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こちらは散りつつある桜

 

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けやきの若葉と桜

 

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演奏会を終えて、帰宅途中で撮影。1/4秒というスローシャッターなのに手持ちで何とか写った1枚。