野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

5月10日(金)

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 1ヶ月くらい前に(私の)体調が悪くて血液検査をしたのだけれど、モリアキ翁の入院ですっかり忘れていた。今日、午前のレッスン終了後(午後になってから)検査結果を聞きに行った。

 詳細は書かないけれど、問題山積みのような結果に激しく落ち込んだ。定期便を書いていないなどということなど全く思い出すこともなく、そのままモリアキ翁の病室へ。

 担当医から、モリアキ翁の回復が遅れていること、治ったとしても元通りのレベルまでは至らないであろうことなどを聞かされて、ますますどんより。

 直前の今日のレッスンが楽しくて気分が高揚していただけに落差が大きい。

 病院の帰りに、モリアキ翁の新しい湯のみを買った。とても気に入ったので、気分が少し晴れやかに。

 夜の2コマのレッスンが終わってから、テレビで「グレーテルのかまど」を観た。「オードリー・ヘプバーンのチョコレートケーキ」がテーマ。信じられないくらい美しい人だと思った。そんな彼女が「愛に満ちた家庭」を築くために女優を引退して、子どものために焼いたケーキ。彼女の子息が「母は時間に正確で、誰からも信頼される人でした」と語るのを聞いて、ますますファンに。

 その番組が終わる頃には気分はすっかり回復。全力で作曲に取り組む気持ちになっていた。

 今日のレッスンは交響曲だった。その音楽構造の歴史を順に追っていくと、鼓膜に楽譜が刻み込まれるほど聴きこんだ曲なのに、まだまだ凄さを発見して恐ろしくなる。レッスンで最後の曲を聞き終わったとき「この先を書くのは野村茎一ですか?」と聞かれた。もちろんそうだ(うそ)。ただしあと100年生きられたら本当になるかも。

 

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どんよりとした夕方の空。