野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

8月18日(土)

271008

 

 睡眠不足は慢性化しているけれど、今日はかなりきつかったので(意味不明と思われるかも知れないが、昼寝をする能力がない)、こういう日は勉強するのが一番だと思って放送大学の録画を視聴。

 今日の収穫は「社会と知的財産」の講義第6回「産業文化と歴史資源」。担当講師は越生由美(おごせ・ゆみ)先生。

 とりあえず、その導入部。

 

 農業社会では中心価値となるものが食糧であった。それが工業社会になると中心価値は富へと変わる。そして現代。知識社会となり(食糧と経済の安定が前提だが)、中心価値は「ゆたかな時間」へと移った。

 

 導入部だけで、この講義を受けてみたくなった方もいらっしゃることだろう。

 豊かな時間の中味は人さまざまであるとは思うが、精神的な充実感であることは多くの人に共通することだろう。

 作曲家(もちろん表現者全て)に期待される社会的意義は、人々の豊かな時間に資するためであると言っても良いだろう。他者は関係ないと主張する作曲家がいても、それは変わらない。他者を拒否する作曲家には社会的期待はないからだ。

 知的財産には有形・無形のものがあり、音楽や文学のように著作権で保護されるものから、旅のように保護されない(保護そのものを必要としない)ものまで非常に多岐にわたる。

 「人々の豊かな時間に資する」とは、なんと嬉しい言葉だろうか。

 作曲したり小説を書いたりするための莫大な時間を、世界の名曲を聴き、名作を読んだほうがどれだけ素晴らしいことかという意見には、実は強く賛同するものだが、作曲はやめられない。

 

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