野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

5月13日(日)「暮れかた」と「こきりこ」

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 今日は伊藤美香(おちゃめ、あるいはitomitter)さんにお願いして、ウラノメトリア試聴用の録音を敢行した(敢行ですよ、ホントに)。

 一番の目的は「暮れかた」。1α第15番の「夕べの祈り」のような(似てないけど)、夕焼け空に向かって歌いたくなるような曲(あくまでも作曲者の個人的感想です)。

 とりあえず聴いてみましょう。

 

ウラノメトリア1β収録予定「暮れかた」(プリモ:伊藤美香 セコンド:野村茎一)

 

 どうです? ちょっとでも夕焼け空が瞼の裏に浮かんだでしょうか。

 で、録音を終えてから美香さんが「こきりこ」をもう一度弾きましょうというので、弾いたらこの曲にもハマって、結局録音してしまったというわけ。

 ソフトウェア再生では、この曲の良いところがほとんど伝わらなかったのではないかと思えるほど演奏に依存する曲。主たる旋律がペンタトニックであるにもかかわらず、和声づけには12音全てが使われている。

 

ウラノメトリア1β収録予定「こきりこ」(演奏、暮れかたと同じ)

 

 1β刊行で、今までの第1巻が「第1巻α」となる。その1αに対抗して新しい1冊を作るのは思いのほか大変で、没になったアイディアが死屍累々と積み上がってきていたのだけれど、この2曲のお陰で少し自信を取り戻した感じ(当社比)。

 レッスンで使用する時には1αを終えてから1βに進むと、その後すんなりと第2巻のα、β両巻に入れるはず。第2巻のαとβは同時に使ったほうが効果的。

 念のために書いておくと、第1巻から第6巻までの数字が表しているのは技術的なレベル。第1巻は初めてピアノを弾く人のレベル。最終巻の第6巻はツェルニー40番からショパンエチュード初級くらい。

 その数字に添えられるギリシャ文字は、α(アルファ)がメソードで、全て通し番号。単にウラノメトリアの153番などと言った時には、アルファシリーズの曲を指す。β(ベータ)はコンサート・レパートリー集で、レッスンにもステージにも使いやすい。もちろん、アルファに収められているエチュードもステージで使えるものばかり(作曲者の欲目か?)。

 γ(ガンマ)シリーズは4手連弾、または2台ピアノのレパートリー集。δ(デルタ)シリーズは音楽理論書。ε(イプシロン)シリーズは、大作曲家たちの作品のウラノメトリア的校訂版。バッハ研究をライフワークとしているので、バッハ作品の校訂版が多くなると思う。

 

 今夜は、もう2曲新しい音源を追加しているので、そちらもどうぞ。

 

ウラノメトリア1α第45番「はじめてのステージ第1番」(演奏者同じ)

ウラノメトリア1α第46番「はじめてのステージ第2番」(演奏者同じ)

 

 では、良い夢を。お休みなさい。