野村茎一作曲工房日記2

作曲家の野村茎一が日々の出来事を綴ります

4月15日(月)

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 昨深夜は、はてなブログのメンテナンスのために更新不可だったので、16日午前に更新。

 9時頃に更新するはずだったのだけれど、NHK-Eテレの教育番組のなかでパーシー・フェイスの「夏の日の恋」が流れていて、それは3年前に亡くなった母が「この曲大好きなのよ」と言っていたのを思い出して、思わずYoutubeで聴いてしまったのだった。

 この曲は、1959年の映画「避暑地の恋」(観たことはない)のために書かれたもので、ラジオから流れてきたこの曲に母がコメントしたのは、私が幼稚園の頃だったのではないだろうか。

 記憶にあるのは、東京板橋にあった私の生家で、母は洗濯物をたたみ、私は何かの図鑑を眺めていたような気がする。

 いま聞いても、それほど古臭く思わないと思ったのだが、ひょっとすると、それは半世紀を過ぎて聴いているからかも知れない。その証拠に関連動画としてリンクされていたポール・モーリアの動画は、古臭く聴こえてちょっと驚いた(とくに「オリーヴの首飾り」のドンチャカ・ドンチャというリズム)。

 作曲の師であった土肥 泰(どい・ゆたか)先生に「どうしたら古びない音楽を書けるのか」というようなことをたずねた時、彼は少しも答えになっていない「25年たてば分かる」と言った。つまり、25年くらい経過したときがもっとも古臭く感じるということなのだろう。

 当時の私には25年後は永遠の未来で、その時に分かっても遅いと思って、ちょっとムッとしたものだ。

 演奏は、録音技術の進歩などでどんどん古くなるから「楽譜」、それも「決定稿」を遺しなさい、というのが彼の常日頃の教えだった。

 2000年を迎えた頃、ようやく自分自身の25年前の曲を聴くことができるようになった(それ以前の作品は習作の域をでない)。

 古臭いかどうかより、若い時の技術的な未熟さを差し引いても、なお光る発想を羨ましく思ったものだ。

 

 気がつけば、昨日の日記が今日の日記にすり替わっているではないか。

 昨日は、モリアキ翁に漢字便覧と辞書を届けて、それから彼の主治医である若い美人の先生(本当に美人!)から現在の状況を伺った。治療計画では2週間で退院予定だったのだけれど、数日延びそうだ。

 それから、ショッピングセンターの家電売場に行って、下宿している “げっちゃん” の部屋にエアコンを取り付けるための機種選定と取付工事見積もりを依頼。価格.comよりも安かったりするので、こういう店は要チェック。

 3.11以来、全館空調は使っていない(高価だったのにもったいない)。

 さまざまな節電努力で、電力使用量は劇的に下がっている。4月はソーラーパネルの発電量と電力使用量がバランスしている。電力に関してはCO2がゼロ・エミッション達成と言ってよいのだろうか。設置から16年が経過して、とっくの昔にソーラーパネル製造時のCO2は回収し終えているはず。

 

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岡本勝彦氏のボイドキューブの設計概念図。ルービックキューブから中心の球体を無くしてしまったものと考えればよい。どうして、なめらかに回るのか不思議なキューブ。空間認識能力が高い人もいるのだ、ということを思い知らされるスケッチ。

 

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これが完成品。発想の凄さに圧倒される。作曲家が頭のなかで鳴り響いている和声の構造を瞬時に理解できるのと似ているかも知れない。しかし、自分でできることは大したことがないように思えるのだが、自分にできないことは、とてつもなく凄いことのように思えてならない。こういうものを見つけて買ってくるのは、もちろん  “風” 。ほかの家族は関心がないので、風と2人で「すごいすごい凄い凄いスゴイスゴイ・・・」と熱く語り合ってしまった。

 

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春の宵。「ポロのお話の部屋」にも春の宵の話があって、なんだかとっても良い話だったような気がするけれど、全然思い出せないし、探し出せる気もしない。またいつか全話読み返したいものだ。

 

>なんとなくウラノメトリア2α 第76番「赤いスカートの踊り」をリンク。タイトルはパウル・クレーの同名の絵画から。ヘミオラの練習曲。

赤いスカートの踊り